タバコが及ぼす体への悪影響
1.タバコの煙を吸うと、直後から心臓などの循環器系に悪影響が出ます。
- 欠陥が収縮する。
- 血圧が上昇する。
- 心拍数が増え、心臓が急激に酸素を要求する。
- 炭素で酸素不足になり、心臓に負担がかかる。
2.心臓病、脳卒中、血管病(閉塞性動脈硬化症、バージャー病、大動脈瘤)にかかりやすく、悪化しやすくなります。
- 虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)疾患・死亡…1.7~3倍
- 突然死…1.4~10倍
- 脳卒中(脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など)疾患・死亡…2~3倍
- 大動脈瘤疾患・死亡…6倍
タバコを吸わなければ、男性17%、女性5%の脳卒中発症が予防できる!
1.糖尿病や高血圧・高脂血症の人がタバコを吸うとさらに危険
危険因子が組み合わされると、虚血性心疾患の発症率が飛躍的に高まります。ですから、糖尿病の人は絶対にタバコを吸ってはいけません。
タバコをやめると一時的に体重は増えますが、禁煙にはそれを超える大きな健康メリットがあります。
体重は運動、食事療法など他の方法でコントロールしましょう。
虚血性心疾患の危険性
- 高血圧または高脂血症の人が喫煙する場合…2倍
- 糖尿病の人が40本喫煙する場合…5.2倍
- 糖尿病の上に高血圧の人が40本喫煙する場合…13倍
2.冠攣縮性狭心症の人にはタバコは特に危険
日本人に多いタイプの冠攣縮性狭心症を患っている人にもタバコは有害です。
心臓の血管が収縮しやすい病状に加え、喫煙がさらに血管を細かくし、発作を起こしやすくします。
たった1本のタバコが発作を呼び、場合によって死に至る危険も。狭心症の人も、その可能性がある人も、タバコを止めることが健康への第一歩です。
がんをはじめとする様々な疾患へのタバコの影響
肺(呼吸器疾患)
- COPD:喫煙は、COPD(慢性閉塞性肺疾患:肺気腫、気管支炎が含まれる)、喘息など呼吸器系の疾患を引き起こします。
- 喘息:気管支が敏感になり、収縮を起こすようになります。タバコの煙によって発作が起こります。
知的作業の影響
タバコを吸うと脳への酸素供給量が減り、知的作業の能率が落ちます。また、認知症が脳血管障害にかかりやすくなります。
歯
喫煙を続けると歯周病になりやすくなります。歯がヤニで汚れるのはもちろん、根元の虫歯が増えて、早く多くの歯が抜けます。
胃腸
タバコを吸い込んだだけで胃腸の血管が収縮し、血流が悪くなります。胃の壁が傷つき、胃潰瘍、十二指腸潰瘍が起こりやすくなります。
全身のがん
殆ど全ての部分のがんについて、タバコがリスクを高めることが分かっています。
肺がんの場合、喫煙して4~5年で喫煙者の半分程度のリスクとなり、10年経つと1本も吸ったことの無い人の1.4倍程度のリスクにまで減少します。
非喫煙者と比較した喫煙者の死亡率(非喫煙者を1として)
全死因:1.3倍 全がん:1.7倍
口腔・咽頭がん:3.0倍 喉頭がん:32.5倍 肺がん:4倍 肺気腫など:1.8倍
食道がん:2.2倍 肝臓がん:1.5倍 胃がん:1.5倍 胃・十二指腸潰瘍:1.9倍
膀胱がん:1.6倍 膵臓がん:1.6倍 乳がん:3.9倍 子宮頸がん:1.6倍
不妊
- 男性不妊:1日の喫煙本数が20本以上の男性は、非喫煙者に比べ、ED(勃起障害)発症の危険性が40%高いことが88367人の成人男性を対象としたオーストラリアの大規模調査で判明しました。
- 女性不妊:女性の妊娠、出産のすべての過程において有害作用を示します。
鬱の増加
喫煙によって、鬱病のリスクが増加することが報告されました。
- 広場恐怖…6.79倍
- 全般的不安障害…5.53倍
- パニック障害…15.58倍