神経障害

神経障害の症状は血糖コントロールが悪くなると途端に出てきます。高血糖で糖尿病の症状に気づかなくても、神経障害に気づき”なんだかおかしい”と訴えます。

最初、手足に出るのが普通です。ピリピリするとか、チクチクするとか言います。その内、しびれや痛みが出てきます。手袋、靴下型と言って、手足に物をかぶせた感覚を感じたり。何もしないのにジーンと痛む「自覚痛」が起きてきます。

まだこれらの症状があるのは良い方です。高度に進行すると近くが麻痺しているのに症状が消えて治ったと誤解しているケースが恐ろしく、知覚麻痺が足の壊疽の誘因となります。小さいケガにも気づきません。免疫機能が落ちているため、傷口の入った細菌があっという間に繁殖します。冬場のコタツやストーブでの軽い火傷も引き金となります。

知覚障害が進行すると熱い冷たいという感覚も鈍くなります。風呂の温度が高くても気がつかず火傷をすることがあります。温度計を浴槽に入れておくことが大切です。ストーブに当たっていて大腿部に大火傷を負った患者さんを見たことがあります。この患者さんは決して眠り込んでいて火傷をしたわけではありませんでした。温度感覚が麻痺していたのです。

自律神経にも異常が出ます。発汗異常、便通異常、排尿障害、立ち眩み、男性のEDなどが起きてきます。立ち眩みですが、規律するときに血圧が低下し、脳が貧血状態になりめまいが出てきます。この症状があれば立ち上がる時、あるいは床から起き上がる時に数分間座って、その後立ち上がるようにするとたちくらみのしょうじょう立ち眩みの症状はかなり無くなります。

視力障害

網膜症

ある程度高血糖になってから網膜に出血が起き、視力が低下してくる。

白内障

ある程度高血糖が持続すると、水晶体(レンズ)がにごってきます。

失明

成人してから失明する中途失明の原因の第1位が糖尿病からきたもの。年間4000人以上が失明している。

腎障害

高血糖が持続することで腎臓の機能が悪くなってきます。まず、尿にタンパクが出てきます。次に血液中の老廃物が溜まってきます。むくみも出てきます。放置すると尿毒症になり重症化していきます。私が経験した患者さんで、海外旅行に行くのだが具合が悪いので調べてくださいと言って受診した方がいました。今まで糖尿病と言われていなかった人でした。調べてみると血糖や血中の老廃物が耕地でした。診断は糖尿病と尿毒症でした。海外旅行は辞めて頂いて、血液透析になりました。この患者さんからも分かる様になかなか糖尿病の症状は早期に自覚しがたいものがあります。

壊疽

糖尿病で壊疽が起きやすいことがあります。
下肢の血圧を測定することで、下肢の血管が細いかどうかを判断できます。特にタバコを吸う人は、1年に1回下肢の血圧測定が必要です。

その他

高血圧

糖尿病の人の40~60%は合併します。血圧のコントロールを良好にし、動脈硬化を予防しなければなりません。

心筋梗塞

糖尿病でない人の3倍多いです。

皮膚化膿症

血糖が高いままであると、細菌に対する抵抗力が低下し、皮膚が化膿しやすいです。

肺結核

血糖が高いままであると、細菌に対する抵抗力が低下し、結核になりやすいです。

白癬(水虫)、爪白癬(爪の水虫)

糖尿病の人の足を見ると、水虫が多くみられます。
程度が強ければ、病変部から細菌が入って足の壊疽になる場合もありますので、水虫といえども注意が必要です。

糖尿病性腎症からの人工透析

現在では慢性腎炎からのものを抜き1位。年間1人当たり、透析にかかる費用は500~600万円。

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