糖尿病とわかったら病気のタイプや状態を調べるために、更に色々な検査を行います。
治療開始後も病状の程度を見るために定期的な検査が必要です。
過去の状態もわかる HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
糖尿病の患者さんは定期的に血糖検査を行いますが、血糖検査ではその時点の血糖値しかわかりません。
そこで、普段の血糖コントロールの状態を見るために有効なのが、グリコヘモグロビン検査です。ブリコヘモグロビンは、血液中の赤血球にあるヘモグロビンにブドウ糖が結合したものです。血糖値が高いほど両社は多く結びつき、一度結合すると赤血球の寿命(約120日)までそのままという性質があります。このことから、血液中に含まれるグリコヘモグロビンの割合を調べれば、過去1~2ヵ月の血糖値の平均を知ることが出来ます。つまり、たとえ検査日の血糖値が良好でも、グリコヘモグロビンの検査値が高ければ、その人の過去1~2ヵ月の血糖コントロール状態は悪かったと判定されるのです。
インスリン分泌量を知る C-ペプチド
C-ペプチドは、膵臓でインスリンが作られる過程で生じる物質です。インスリン注射を行っている患者さんでは、血中や尿中のインスリンを測定してもインスリン分泌機能は判りません。注射としてインスリンを体内に入れているからです。しかし、インスリン注射液の中にC-ペプチドは入っていません。このため、C-ペプチド検査によって膵臓のインスリン分泌機能を調べることが出来ます。
C-ペプチドの測定は、血液や1日分の尿を貯めて行います。膵臓より分泌されたC-ペプチドは一定部分が尿中に排出されるため、尿に含まれるC-ペプチドの量を調べればインスリンがどのくらい分泌されたかわかります。
C-ペプチドの値が大きい場合は、インスリンを分泌する膵臓の機能が十分にあることになります。逆に値が小さい場合は、膵臓がインスリンを余り分泌していないことがわかります。
グリコヘモグロビンの値が良くても、血糖が高いと動脈硬化が進む
血糖は食事を摂り始めてから60~90分で最高になります。糖尿病での血糖コントロールは、早朝空腹時血糖110未満、食後血糖180~200未満を目標にしてきました。最近、早朝空腹時血糖より食後血糖の方が動脈硬化に重要であることがわかってきました。グリコヘモグロビンが良くても食後血糖が200以上だと、狭心症や心筋梗塞になる危険性が出てきます。食後血糖も180~200未満にしたいものです。